チーム・M2を立ち上げた時のエピソードを教えてください。
― 98年に自分で会社を立ち上げて、当時は会社というよりフリーライターのようでした。 しかし、1人ではやれる仕事の量に限界があるので分業をすることにしました。
取材のみ自分で行い、録音したものの文字起こしや記事製作を主婦ライターに手伝って もらい、それを添削して完成するという形態です。 これがこの会社の原点ですね。

そのあと、本を書いてみないかと出版社の方に持ちかけられ、 当時携帯用ホームページが流行しだした時だったので 簡単なホームページの作り方を書いた本を書いたらヒットしたんです。 これがきっかけで出版プロダクションをビジネスの中心にしていきました。

ちょうどwindowsXPがリリースされた時期で、 ユーザーはちょっとしたツールを知りたいはずだと発想し 『逆引き○○大全シリーズ』を企画制作。 1番最初に出した逆引きエクセル辞典は8万部ヒットし、 ○○逆引き大全シリーズを15作程度制作しました。 ピーク時は5,6人の従業員で、何もしなくても印税だけで1年数千万円入ってきました。 極端な言い方をすると6,7年は印税だけである程度会社が経営できていたんです。

しかし、だんだん書籍の売り上げは悪くなり 「何もしないで印税だけで経営できた」という状況はその後、 がくっと下がってしまった・・・。

そこでネット回線の強化という環境変化もあり、 WEB、映像制作を仕事にしていこうというターニングポイントを迎えたんです。

今までいた出版の社員はゆっくりやめてもらい2009年夏には完全に入れ替わりました。 そこからEラーニング事業、教育事業をスタートしました。
Eラーニングの共同開発をしていらっしゃるようですがどのようなきっかけで 共同開発することになったのでしょうか?
― 検定合格ドットコムのことですね。 これはCG-ARTS協会さんと共同で文部科学省の後援 (国家資格ではないのですが国が承認している)CG検定を もっと広げていこうということで、検定合格ドットコムを開設しました。

実はこの検定合格ドットコムは、ある種の市場開拓マーケティングのプロジェクトなんです。 検定によっては知名度が低く、受験者が伸び悩む検定もあります。

検定主催側はもっと受験者を多くすることができ、 僕らは検定対策講座を広めることで検定自体も うまく広めることができるWIN-WINの関係を作ることを目指します。 その点に気づき、たまたま知り合いがいたこともあり、 検定主催側に提案してみたのがきっかけで、 CG-ARTS協会と最初のコラボを進めることにいたしました。
オーダーメイドで映像制作などを行っていらっしゃいますが、 全て社員が作るのですか?
― 全員社員で行います。ノンリニア編集を軸として制作します。 マックだったらファイナルカット、ウィンドウズだったらEdiusなどのソフトを使用し、 映像をパソコンに読み込んで直接編集したりします。 通常はディレクター1人、撮影編集1人、サポート1人でしています。 いかにコンパクトかつコストを下げることが求められていると思います。
営業をするにあたって、コツや戦略はありますか?
― 恐らく、ほかの出版プロダクションがあまりしていないことをやっているかな。 出版プロダクションでは仕事を請け負って「黒子に徹する」ことが多いですが、 弊社は本を書いたことのない新人ライターを起用し、原稿作成アシストをし 「チーム・M2」を表紙や奥付欄に載せて 社名を認知してもらうという戦略を実践しています。 おかげさまでIT系出版にはとても強くなることができました。
がるぷろって何ですか?
―一言でいうと、女子学生が女子学生をリサーチして 自分から発信していくメディアを作っていこう、という ガールズメディアプロジェクトです! 現在は当社で6人の女子大生がインターンをしています。 女子学生が女子学生のリアルを調査し、何を考え、 どのような行動をしているのかを発信したり、 自分たちの自発的な意見を発信していってほしいと思っています。 がるぷろ自体でプチ広告代理店を目指しています。

今後は、生の声の調査で@コスメのように人気のあった商品を 「がるぷろ大賞」みたいに紹介したいですね。 リサーチを行い根拠を明確にすることで企業とよりきちんとした接点を持つことができると 様々なビジネスチャンスが生まれると思います。 また、がるぷろの活動を通して企業から 小さなリサーチの仕事を受けて活動することを目標としています。
森嶌さんにとって刺激はなんですか?
― 新しい出会いをつねに求めることですね。 僕の仕事である、企画・プランニングっていうのはいろんな人のいろんな考えを聞いて 自分の中に蓄積されたものが少しずつ変化してアウトプットされるというものなのです。 したがって、常に新しい出会いを求めることが重要であり、同時に刺激になっています。
ありがとうございました。
プロフィール
  (株)チームエムツー
代表取締役/森嶌正巳 (46)
twitter:@teamm2

関西外大を出てコンサルタント会社入社。
人材育成・教育研修講師などをしていた。
英語と経営を武器にしよう!
24歳のときにアメリカへ。
26歳の時大学時代の友人と会社を設立。
しかしトラブルが発生、倒産、借金を持つ。
日本に戻り秋葉原の10人くらいの 小さい会社で営業成績をあげ3年間 死にもの狂いで働き数千万円稼ぎ借金返済。
借金を返すために働いていた 会社の社長の繋がりでイオングループ 環境財団などの組織を運営する業務に従事し、 社会貢献系業務を担当する。
同時にイオングループの新規事業の プランニングや販売促進ツールを製作。
33歳の時にチーム・M2を設立。
出版プロダクション業務からスタートし 現在はクリエイティブ制作、映像制作、 Eラーニングコンテンツ制作、 ガールズメディアの企画事業をしている。




取材日
October 7, 2011


取材場所:
ラウンジ&バー サウスコート
新宿サウスコート20階。
景色がとてもきれいな穴場スポット。

編集者後記

とても穏やかで親しみやすい雰囲気の森嶌さん。 私のロールモデルの1人でもあります! コンサルタントをしていらしたということで話し方も とても上手でなるほど!と思うことがたくさんあり ためになる2時間でした!ありがとうございました♪ 私もチームM2のemanabiの会議に今週参加してきます。 今後もよろしくおねがいします。