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仕事がない時は何をしているのですか?
― インプットをする時間や、趣味の時間に当てたり、全く仕事に関係ないことをしてリフレッシュするようにしています。
では趣味は何ですか?
― 最近はバイオリンです。
バイオリンをやっている友達のコンサートに行って、始めてその人のバイオリンを聴いた時に、「あーいいな」って思ったんです。 その友達がしばらく日本にいると言うので、教えてもらうことにしました。そうでもないと、自分の人生でバイオリンがでてくるなんてないから登場させるならここだなって(笑) 自分はマニュアル的な事が好きなのだけど、バイオリンは、右と左の感覚でまた音も違ってくるし、なんというか、左向きながら右見るみたいな事がすごい好きですね。 これ無理じゃない?どうやってやるの?みたいな感じで。すっごい楽しい(笑) 読モの時の高村さんと、今の高村さんで変わった事はありますか?
― 自分の中では「高村健太」という中身事態に、特に変化はありません。モデルの仕事は、当時自分の中でサークルというかアルバイトという感じでした。
でも今のほうが、モデルというのが、自分の中での「経験値」という扱いになりました。
モデルをやっていたことは、今の仕事に活きているし、それは良かったなとは思っています。良くも悪くも自分の強みだと思って今の仕事をしています。
良くも悪くもというと・・・?
― 良い点は、モデルは特殊な仕事で、実績と見た目が重視されます。
今の仕事も美容系なので、「美容系の仕事をやっています」と相手に自分の事を説明する時に、明らかに身なりがそういう風に見えなければ説得力がない。
口だけだと思われる。
だから、読者モデルをやっていたという事で、今の自分のやっていることに対してのストーリーが相手に分かってもらいやすいんです。相手に自分のストーリーをきちんと伝えられるというのは大事な事だと思っています。
逆に悪い点は、モデルは所詮モデルだと見られることですかね。 自分の場合だったら、経営者とか、他のプロフェッショナルという見方に行きにくい。他に同じ事をやっている人よりは軽く見られがちです。 独立した当初、自分は23歳だったし、立ち位置を確保するのがすごく難しかった。仕事をする上で、対等という立ち位置はすごく大事だと思います。 「協力してあげているんだよ」という姿勢では、いつまでたってもちゃんとした仕事にはならない。 対等だと思ってもらえるように自分でもちゃんと組み立てなければならないし、きちんと相手にも分かってもらえるように伝えなければならないんです。 では、仕事以外で読者モデルをやっていて良かったなと思うことはありますか?
―レベルは違えど、誰しもが、有名になりたいとか、人と違ったことがしたいと思うと思いますが、自分のそういう欲求は読モをやっていた事ですごく満たされたことですかね。
凡人中の凡人だった自分にとってはとても特殊で貴重な体験でした。
読者モデル時代の人脈が今に繋がっていることはありますか。
―モデルをやる前は、元々友達が多いほうではなくて、今の会社にいるのも、モデルだったり関係者ばかりなので、それは良かったと思っています。
ただ、大学時代に「人脈」ってよく聞くと思うし、重要しされがちですが、そこにこだわる必要はないと思います。 結局人はいつどの時代にもいるし、SNSがこれだけ発達している中でアタックするチャンスは昔よりあります。 だから人と出会うときに、「自分はこういう人ですよ」とか、相手に自分が魅力的にうつる人間を常に目指していれば、勝手に周りはついてきます。 だから人脈探しの旅にでるとかではなく、そういう人と出会ったときに会話をできる自分をつくっておくほうが自分の中では大事です。 学生時代に読者モデル以外でしていたことは何ですか?
―投資や、バンド、ファッションにも興味があったし、ロボットも作っていたりと、薄く広くという感じで昔から色々やるようにしていました。
なるべく薄くはならないように、もうちょっと突っ込もうと思ってやってはいたのですが。
その色々やっていたことが今の会社にも繋がっているのですか?
―そうですね。自分は読モ時代も1年半くらいずっとビデオレンタル屋の一角にあるゲームコーナーでバイトしていたのですが(笑)、
仕事として自分があまりやる事がなくて、ずっと暇だったんです。暇すぎて、最初は音楽を聴いたりとか本を読んでたりしてたのですが、だんだん飽きてきた。
でもその中で、自分が時間を一番潰せたのが車の雑誌を読む事でした。格好いいなーと思いながらずっと見ていました。
それで、就活の時にそれだけの知識で外車の企業の試験を受けたら1位だった。
その時に、「あれ?皆知らないんだ、これくらいの知識でもいけるんだ」と思いました。
だから自分で、自然と知識となって自分の中に取り入れてしまうと、普通になってしまってなんとも思わない事も、意外と人と比べたりした時に、自分の能力として使える事もあるんです。
何でも、そうしたちょっとしたことの差というのが、積み重ねると大きくて、やはり色んな事をやっていると、色んな人に出会うわけで、
知識があればそういった人たちと話もたくさんできるし、学べる。
色んな事をかじっとくということはそういう面でも良いかなと思います。全く知識がなければ話しにならないですし。まあ、どう活かすかにもよるのですが。
活かすとなると?
―学んだ事を活かすかどうかは、自分でやる作業で、勝手に活きてくるものってなかなかないと思います。
自分は、過去の出来事は、活かさないとただの「思い出」になると思っています。活かせれば「経験」になるという考え方。
だからなるべく活かせるように日々しています。
ただ、活かせないで、思い出ストックに入るものもあるけれど、それがある日結びついて活きてきたりもします。 例えば自分はカフェが好きだから、色んなカフェに行ったりします。 雑誌で取材があって、「カフェ部男子」として、カフェを紹介してくださいとなった時に、過去の思い出からひっぱってこれる。それで活きる。 だから何だかんだ思い出は全部使っている気もします。 ポスターや電車の中吊りを見てもそれなりに学ぶことはあるし、どういう風にアプローチしたら伝わりやすいんだろうとか、この企業はどういうことを考えてここに至ったんだろうとかいう分析は常にしているので、いざ何かやるとなった時になんだかんだ活きてくるんですね。 では学生時代にやっておいた方がよいことはありますか?
―学生時代というか、圧倒的に時間のかかることは先にやっておいたほうが良いと思います。
例えば、社長というのも時間が必要です。
社長になりたてで、「社長のプロ」という人はいないと思う。
皆どこかで色んな経験をしていても、社長という立ち位置になった人は、その時点では初心者です。能力はもちろんあるけど経験はない。
だけど自分は社長を23で始めているから、それが30になった時にに7年の経験っていうのは、他の周りの30の人たちよりは活きるんじゃないかなと。
そこに時間の強みがでてくると思う。
だから色々なるべく早めにやりたいなと思っています。
失敗してそれを乗り越えるのが後のほうだとすごく大変だから、早めに色々やって色々失敗してそれを乗り越えることは必要だと思います。
あとは、学生時代だったら海外も色々行きましたね。 どこに行ったのですか?
―オーストラリアのシドニー、ケアンズ、パリ、グアム、ブーケットなどです。
特にフランスはすごく感じるものがありました。
僕は、自分がそこで何かを経験をする時には、行く前にちゃんとその経験を吸収できる準備をしていくのが大事だと思っています。じゃないと本当にただの思い出になってしまう。 まず、フランスには、観光ではなくて、同年代の海外の人達が、何を見ていてどういう考えをしているのかを知りたくて行きました。 向こうの町を歩いたり、学校に行ったりして、フランスの人達ってすごい自分の感性を大事にしている人ばかりなんだなと思いました。 フランスに行く前の自分は、自分の基準の中の定規のメモリを、細かく刻む作業をしていたんです。 ざっくり、こんな感じというアウトプットではなくて、例がこれだけあって、その中で自分がチョイスするのはこれで、それはこういう理由で、 という自分が選択や判断する基準を細かく設定するために、色々なことを日々インプットしていたんですよね。 でもフランス行った時に、それってすごい日本人っぽい考え方だなって思いました。 フランスの芸術品を見たら、どう見てもこの人達はそんな作業なんかしてないなと思って。 多分こういう作品を創ってる人達って、すごいヘンテコな定規かもしれないけど、それをものすごく熟知して使いこなしているから、ああいう表現ができるんだろうなと思いました。 だから定規のメモリの細かさどうこうじゃなくて、いかに自分の持っている物差しを使いこなせるかどうかなんだなとすごく感じて、そこからは自分もそれを追及するようになりましたね。 これから高村さんが目指すところは?
―あまり目標としている像や人はいません。
常に自分が将来のビジョンを見る上では、他の誰かではなくて圧倒的に自分を見ています。
自分の10年後とか30年後とか。だから自分が今よりこうなりたい、こうあっていたいという目標はあります。
個人的には、自分が達したいところに達するには、これくらい稼がなきゃとかそういう目標はあるし、
会社的には、もっともっと事業を広げていくこと自体が、使ってくれている人のモチベーションをあげたり、
人のためになるのなら、事業を広げていきたいし、このくらいの金額で会社をまわしたいという金額設定もあって、早くそのレベルにたどり着きたいなという気持ちはあります。
高村さんにとって、刺激とは何ですか?
―刺激とは、一言で答えるなら「自己超越」です。
自分の欲求レベルの一番上が自己実現という事は、社会人になるとよく聞くと思うけれど、
自己実現して得られるのは結構自分の事。
それよりも欲求レベルが高いところを見ていれば、もっともっと上にいけるからそういうところを目指していきたいです。
そこに刺激があると思います。
ありがとうございました!
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編集者後記 今回は、私も大変ためになるお話を聞かせて頂きました!
顔も格好良いことはさることながら、考えていることもとてもしっかりとしていて、
本当にリスペクトしちゃいました!
取材日:May 27, 2012 -記事制作:上原理香 -interviewer 馬場琢也 阿部真衣 上原理香 |
